ヒモ男専用マッチングサイト”kamiyui”体験記. 女性会員の特徴レポート

ヒモ男専用マッチングサイト「kamiyui」爆誕

9月下旬のとある日、いつものごとくtwitterを “パトロール” していたら、驚きの情報を目にした。

「ヒモ男専用 マッチングアプリがサービス開始」とのこと。

詳細に調べると、そのサービスの名は「kamiyui」。アプリという形で提供されていないので、「マッチングアプリ」ではなく「マッチングサービス」にらしいが。

URLを踏んでwebサイトに行ってみると、いかにも「臭そう」な画像が使われていた。ダメ男風の写真と、ダメ男に惹かれてしまうようなヤバイ女風の写真。

サイトに記載されている紹介文の一つ一つも臭すぎる。僕は目を背けるように、そのウィンドウを閉じた。

けれども、何か引っかかる。「ヒモ志望男のためのマッチングサービス」。広い意味で捉えれば、ママ活のためにも使えるということだ。

折しも、数日前に後輩女子から「パパ活始めました」という報告を受けたのを思い出した。とあるパパ活専用マッチングアプリに登録して、1週間で5人のパパに会って、7万稼いだという。

そんな彼女は、女子として平均くらいのルックス。なのに、そんな普通の女子に、取り柄といえば若さくらいしかないよな女子に、「7万」という価値を付けてくれるオジサンが世の中にはいるらしい。

じゃあ、男に生まれて、可もなく不可もないレベル感のこの僕にだって、一緒にいる時間を提供するだけでお金を与えてくれる人がいるんじゃないか？ヒモとしてお金を出してあげたいと思うくらい、かわいがってくれる女性がいるんじゃないか？

自分自身、何かにハマってしまうとなかなか抜けられない性格。なんだか気になる「ヒモ男用マッチングサイト」kamiyui（かみゆい）。この際、期間限定と割り切って、本当にいい出会いがあるのか、どんな女性が使っているのか、潜入調査した結果を書き記したい。

マッチングサイトkamiyuiのサービス内容・料金

サービスの名の由来

ヒモ男向けマッチングアプリの名前が「kamiyui（かみゆい）」と聞いて、イマイチぴんと来ないというか、印象に残らないという人も多いかもしれない。僕自身も、一発で覚えられず、後日改めて調べなおしたくらいだ。

ヒモ男専用のマッチングサイトなら、もっと分かりやすい「Himo」とかそんな名前をつければいいのに。

どうやら、「髪結いの亭主」という美しい美しい日本語があるらしく、その意味は「江戸時代、稼ぎがよかった髪結い（理容師）を妻に持つと、男はそれほど頑張って働く必要がなく、楽に生活ができるさま」であるらしい。

江戸時代の髪型といえば、男はちょんまげ、女性はあの特有のもりもりヘア、というパターンしか思い浮かばないが、実は髪型にはその時々に流行したスタイルがあったという。髪結いはお金に余裕がある身分の人を相手にすることが多く、また、髪型のセットは普通は自分でやるもので、髪結いにわざわざやってもらうのは「贅沢」とされていたらしく、単価も高く、そのうえ祝儀が包まれることも多かったために、給料がよかったらしい。

「髪結い」についてーーなりたい！知りたい！美容師

なるほど、「髪結いの亭主」という、いわばヒモ男状態を表す言葉が江戸時代に遡るくらいだから、男という生き物は古来からヒモを志向してきた生き物なのだろう。

個人的な推測だけれども、髪を結う時に使う「紐」に、ヒモ男のヒモの意味を掛けているのかもしれない。ヒモ男向けマッチングサービスとしてはインパクトの薄いサービス名だと最初は思っていたけれども、意外と深い意味が込められているのかもしれない。

ここから、kamiyuiのサービス内容、料金について詳しく書いていく。

男性は無料 ただし…

ヒモ男予備軍という、圧倒的にお金を持っていないユーザーを対象としているため、kamiyuiの男性側の利用料金は無料。料金を払うのは女性側だ。

他の大手マッチングアプリなら、男性側は月会費3000円、女性は無料としているところが多いから、正反対の料金システムだ。

ただ、世の中そんなにうまい話ばかりじゃないと思っておいた方がいい。大手のマッチングアプリなら、女性は無料にもかかわらず、有料会員の男性と変わらない、対等なサービスを受けることができる。自分から気になる異性を検索したり、気に入った異性にアプローチしたり、などなど。

kamiyui というマッチングサービスの特徴を端的に表すなら、「女尊男卑」。お金を払っていただいている女性側が、出会いに関して主導権を握っているサービスだ。

まず、男性は女性を選ぶ自由が制限されている。基本的に男は、女性からの「アプローチ待ち」だ。

そして、女性に選んでもらうために、「全力の自己アピール」をすることが求められている。 kamiyuiは、女性一人とつながるために、「自分がいかに有望なヒモなのか」というPR文章を、最低200文字送るのが必須。しかも、この部分には定型文やテンプレート文を使うことはできず、女性一人一人に対して異なるアピール文を送らないといけない。

一般的なマッチングアプリなら、プロフィールに基本情報をそこそこ埋めておけば、女性一人一人に対してアプローチ方法を変える必要はそんなにない。最初に送るメッセージだって、「マッチングアプリで好感度が高い最初のメッセージはこれ！」的な情報もwebを調べれば出てくるし、そのテンプレートをそのまま使うことだって可能だ。

ヒモ願望の強いお金に困っている男性のことを考えて料金は無料になっているのだが、女性に選んでもらうためには主張が必要ということだ。

まるで、橋の下の段ボールに何十匹という捨てられた仔猫がいて、「僕を拾ってほしいニャ」と通りすがる人に対して必死に鳴いてアピールする構図だ。

これまでの常識を覆すような「男性無料、女性有料」という料金体系である分、女性優位なシステムにすることでそのバランスをとっているのだろう。ヒモ男になりたいのなら、そのくらいの努力はして当然。やはり「女尊男卑」なマッチングサービスだ。

kamiyuiに登録してみて分かったこと

本人確認なく、登録は楽だった

実際に僕もkamiyuiに登録してみたわけだが、「名前」と「メールアドレス」を入れれば仮登録が完了。

メールアドレスに送られたURLを踏んで、そこから進んで本登録をすれば、めでたくあなたもkamiyui会員、そして将来のヒモ男だ。

安全性にしっかりしているタイプのマッチングアプリなら本人確認があるところだが、本人確認は全くなかった。多分、女性側も同じくらいの簡単さで登録ができるはずで、本名をあえて使おうとする人は少ないんじゃないかと思う。

繰り返しになるが、kamiyuiは「アプリ」ではないので、検索エンジンで調べて、webサイト上で会員登録するものであることをお間違えなく。

※【2019.10.17】本人確認に関して追記事項あり 記事のラストを参照

独特なプロフィール情報

会員登録が管廊すると、次は自分のプロフィールを作成する画面に移る。

さすが「ヒモ男専用マッチングサービス」。プロフィール欄も、笑ってしまうくらい独特なものだった。プロフィール欄の一つ一つを紹介していく。

・年齢：まあ、女性からしてみても気になるところだろう。

・現在の年収：低ければ低いほど、ヒモ候補として優秀なのかも…？

・職業：「バンドマン」「炎のアルバイター」「ハイパー自宅警備員」など、同じ「ニート」を表現するにしても、ヒモとしての可能性を感じさせる肩書がいいかもしれない。

・ヒモになった場合の、一週間のヒマ日数：ヒモ男としての「専業主夫」のポテンシャルの高さを見ているのかもしれない。

・ヒモとしてのスキル（次のうちから当てはまるだけ選択）：「家事に貢献できるか」「女性を楽しませられるか」が問われている。精力旺盛とあるのは、そっちの方でも楽しませないといけないということか…

• 聞き上手
• 話し上手
• 掃除
• 洗濯
• 料理
• 精力旺盛

・援助されたいもの（選択式、複数可）：ここら辺から、ヒモとしての明確なビジョンが問われてくる。

• お金
• 住居
• 食事

・会う頻度の要望：毎日、週一回、月一回、など。女性とヒモ男の距離感が問われている。ヒモもヒモなりに忙しいはずだ

・性行為について：完全に女性の要望に応える、会わない（オンラインのみ）、月1回、週1回、など。やっぱり、そっち方面での有り方も重視されているのかもしれない。

・その他、ヒモとしてのアピール：自分が、いかにヒモとして有望で、いかにして一緒にいて楽しくて、ヒモにしてもらえるお返しをどのようにできるのか、などを存分に自己アピールするスペース

kamiyuiを使ってみた体験談 感想

上記のようなプロフィール欄を目の前にして、ヒモに対する自分の認識がいかに甘かったのかを痛感した。ヒモとして養ってもらう代わりに、自分は男として相手女性に対してどんな見返りができるのか、という部分がストイックに求められているアプリなのだと感じた。

この時点で「ヒモとしての覚悟が、自分には足りないのかもしれない」と感じた人は、大手どころのマッチングアプリを使うか、リアルな世界での恋愛活動をがんばるしかない。

これまで使ったことがないタイプのマッチングサービスなので、ショックを受けた部分は多々あるが、使ってみた体験談や分かったことについて書いていきたい。

おすすめの女性を10人ほど閲覧できた

kamiyuiのサービスの説明を見た時、「男性には選ぶ権利はほとんどない」とあったので、全く女性のプロフィールを見ることはできないものだと思い込んでいた。

実際には、ログインして自分のメインの画面に行くと、「おすすめのヒモ飼い女性をみる」というボタンがあり、そこを進んでみると、ヒモ飼い女性の候補を10人ほど見ることができた。

女性のプロフィールを見ている中で、もし気になる人がいれば、ヒモとしての自己アピールするメッセージを送ることもできる。その自己アピールが相手の心に刺されば、メッセージの返信が来てマッチングが成立し、その後のヒモ交際への具体的なステップに進んでいける感じだ。

kamiyuiはまだサービス開始間もないはずなので、おすすめ女性が10人も表示されたのは驚きだった。意外と、ユーザー数は多いのかもしれない。あるいは、実在しない「サクラ」女性の可能性もゼロではない。僕はまだ数人にしかメッセージを送っていないため、表示される女性が「サクラ」なのかどうか検証はできていないが、我々ヒモ志望男性にできることといえば、サクラ女性ではないことを信じてメッセージを送るしかない。

具体的にどんな女性がいたのか、女性プロフィールはどのように表示されるのかについては、後の部分で書いていく。

登録直後、異性からの閲覧数が1 ついた

kamiyuiでは、ほかのマッチングアプリ同様、自分のプロフィールが異性にどのくらい閲覧されたのかを見ることができる。

登録直後に閲覧数が1ついたので、「もう見られているの!?」という物事のスピード感の速さに驚いた。

ちなみに、kamiyuiに登録して約1週間で、30人の女性に閲覧されていた。30人という数字が、果たして多いのか少ないのかはわからないけれど、この地球上で、一瞬でも僕という存在が誰かのヒモ候補に入っていたというのはうれしい。

ただ、男性側からはどんな女性に閲覧されているのかを見ることができない。無料なのでしょうがない。この点に関しては、完全に「女性からのアプローチ待ち」だ。大手のマッチングアプリなら、自分のプロフィールを見た女性は「あしあと」に記録されていて、足あとをたどってどんな女性が自分のプロフィールを見ているのか確認できるのになあ、と思った。

kamiyui 女性の特徴 (個人的な偏見含)

「ヒモ男」と「ヒモ男を飼いたい女性」のマッチングアプリなので、「どんなクレイジーな女性が使っているのか？」と疑問に思っている人も多いかもしれない。

男性側の画面から見られる「おすすめのヒモ飼い女性」から数十人の女性をチェックしてきたが、僕の目から見てどんな女性像が多いかについて書いていきたい。

見ることができる女性のプロフィール

先ほど、男性側が記載すべきプロフィールは紹介したので、逆に女性側のプロフィールについて書いていく。

• 画像
• 名前（ハンドルネームあり）
• 年齢
• 年収
• ヒマな日数
• 希望する合う頻度
• 性行為についての要望
• ヒモへの待遇
• ヒモに望むスキル
• その他ヒモに望むこと

年齢は20代が多い気がした。まれに、30代や40代の人も見かけたように思う。

男性側は職業欄があったのに対し、女性側は職業を記載するところがなかった。

そのほか、kamiyui女性への印象

・画像を登録していない女性が多い：マッチングサービスでの成功率を上げるには、画像を登録するのがセオリー。そして、顔画像登録率が高いサービスほど、ユーザーからの信頼度が高く、またマッチングが活発な傾向にある。kamiyuiは、画像のところは「no photo」の女性が多かった。また、画像を登録していたとしても、顔以外の風景画像とかキャラ画像とかが多かったように思う。

・フルネームで登録している人がほとんどいない：女性の名前は下の名前で登録している人が多く、フルネームで登録している人がほぼゼロだった。「～にゃん」「さなぴ」みたいなニックネームの女性も多かった気がする。

・ヒモ援助額と年収が見合っていない：年収は、全体的に低い人が多い印象だった。300万あれば多い方かもしれない。1000万円以上などぶっとんだ数字の人がいなかっただけ、まだ正直に入力している人が多いのかもしれない。年収欄が0なのに、「30万援助したい」人も見かけた。「ヒモ男を養う本気度」は、慎重に見極める必要があるかもしれない。

【2019.10.17追記】

日本の法律により、18歳以上であることが確認できないと、マッチングアプリ的サービス上でメッセージを交換することが禁止されているらしい。kamiyuiでも、メッセージ交換する際は18歳以上であることの証明が必要だ。kamiyuiでの年齢確認は、クレジットカード情報を登録することで可能。基本的に料金を払うことがない男も、メッセージ交換の際はクレジットカードを登録して年齢確認を済ませる必要がある。

ヒモ男程度の社会的信用力でクレジットカードを作れるのか、と思う人もいるかもしれないけれど、口座を持っていれば、銀行系のデビッドカードを作ることで乗り越えられそう。