性多様性への認知とともに広まりつつある「ポリアモリー(複数恋愛)」。LGBTとの関連性,浮気・不倫との違いについて解説。
記事の概要
ポリアモリー(複数恋愛)の定義とは
Wikipedia では,ポリアモリーは以下のように定義されている。
ポリアモリー(英: polyamory)とは、ノンモノガミー(排他的な一夫一妻制ではない関係)の一種。関係者全員の合意に基づき、多重的な性愛関係やロマンチックな関係を営むライフスタイル、また その関係性のことである。
ポリアモリーは複数恋愛と訳されることが多いが,「(合意に基づく)多重婚」という訳がなされている文献もある。
日本をはじめとした多くの国では,「一夫一妻制」の法制度がとられており,重婚は禁止されている。ポリアモリーは近年になって生まれた,従来の婚姻の法制度の外にある概念であり,ポリアモリーを受け入れる社会の在り方が議論されている。
ポリアモリーはLGBTの一種なのか
LGBTという概念が浸透してきた中で,「ポリアモリーはLGBTなのか?」という疑問が生まれてくると思う。
ポリアモリーの定義には様々な説があり,LGBTのような「性的志向性」に当てはまるのか,それともヌーディストのような「ライフスタイル」「主義・主張」として位置づけられるのかは定かではない。
ポリアモリーはLGBTの一種であるという見方が存在するが,慎重に扱うべき問題である。
LGBTにはゲイ・バイセクシャル・レズビアンなどが存在するが,ゲイでポリアモリーの人やレズビアンでポリアモリーの人も存在すると言われている。
ポリアモリーと言われる芸能人について
叶恭子さんが以前,自身のブログの中でポリアモリーについて言及している。
一夫一妻制の結婚に対して否定的なスタンスをとっている叶さんは,ポリアモリーに関しては「そのような愛のあり方も受け入れる」と言及していますが,本人がポリアモリーであるとは公言しているわけではない。
ポリアモリーだと公言しているわけではないけれどポリアモリーに対して前向きな考え方を持っている有名人としては,男装モデルの赤坂沙世さん,経営者・評論家などの活動をしている岡田斗司夫さんがいる。
ポリアモリーの浸透によって今後もポリアモリーについて言及する有名人が出てくるだろう。しかし,その人がポリアモリーなのかどうかは,前後の発言も含めて発言の一次情報を確認するようにされたい。
ポリアモリー(複数恋愛)と浮気,不倫の違い
ポリアモリーはあくまでも,「関係者全員の合意」に基づく複数恋愛関係であるというのは前提条件である。妻に内緒で不倫している状況は,ポリアモリーな状態ではない。
ポリアモリーは,浮気や不倫の言い訳にしてはならないのである。
仮に,あなたがポリアモリーで,配偶者以外とも複数恋愛しているとする。この時,配偶者が「あなた以外とも恋愛がしたい」と言ったら,あなた自身はそのことを受け入れなければならあない。
ポリアモリーであることは,相手のポリアモリー性を受け入れることであり,そのには嫉妬や不安がつねに付きまとう。
複数の異性と恋愛できるポリアモリーは「夢のような恋愛スタイル」と思われるかもしれない。パートナーに対する裏切りである浮気や不倫と異なり,ポリアモリーは複数のパートナー全員に対して「誠実」でなければならない。
ポリアモリーを実践する人には強さが必要であり,悩みや不安,葛藤と向き合い続けなければならないのである。
ポリアモリーと不倫を知るためのおすすめの本
ポリアモリーというパートナーとのあり方についてもっと知りたい人,不倫や浮気で悩んでいる人におすすめの本がある。
坂爪真吾さんの書いた「はじめての不倫学」である。
日本で推計500万人は存在するといわれている不倫人口。国民の約25人に1人という計算だ。不倫で不幸になる人がたくさんいることを「社会問題」と捉えて論じ,ポリアモリーという生き方を紹介することで一途ではいられない人の悩みと苦しみを和らげようと試みている新しい本だ。
僕自身は3年前に読み,目から鱗が落ちる経験をした。ぜひ一度,読んでもらえたら幸いである。
ポリアモリーを理解する人と出会えるマッチングアプリは?
ポリアモリーという概念がやっと知られ始めるようになった現在,残念ながら今のところは,ポリアモリー向けのマッチングアプリは存在しない。
既存のマッチングアプリでポリアモリーに理解のある人を探すという方法がいいと思う。
1つ目におすすめなのが,あなたの価値観を分析して,統計学と心理学に基づいてピッタリな人を提案してくれる「with」。
もう1つが,国内マッチングアプリで最大の会員数を誇り,趣味や価値観が合う人が集まる「コミュニティ」を利用して,シンプルな操作で出会いが探せる「ペアーズである。
どちらのアプリを利用するにしても,出会った相手との関係が深まった時に必ず,ポリアモリ-について誠実に話す必要がある。そんな場面が来た時には,先ほど紹介した「はじめての不倫学 」という本を是非生かしてもらいたい。