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AI(人工知能)が出会い・結婚を提案する時代
従来の結婚相談所・お見合い・婚活サービスの場では、「人間の勘」によって男女のマッチングが行われてきた。けれども、会員数が数千人、数万人に膨れ上がると、人間の頭脳では「最適な出会い」を提案するのは不可能になる。
そこで登場するのが、近年、目覚ましい発展を遂げているAI(人工知能)だ。AIの特徴は、大量のデータを自分で勝手に学習し(機械学習)、人間には見つけられない特徴や組み合わせを見つけたり、自動的にデータを分類したり、最適な解を見つけたりすることが得意だ。
AIは、Googleの検索結果や、Amazonの商品のおすすめの表示にも活用されている。だからこそ、ある人の特徴を分析して、その人にピッタリな異性を提案するという「結婚相談所」や「お見合いの仲人」の仕事は、将来AIに取って代わられるはずだ。
2018年や2019年は、人間によるマッチングからAIによるマッチングへとシフトし始める過渡期なのだ。
AIエージェントが画期的も、サービス終了の婚活アプリaite
AIエージェントと会話するだけで、性格や価値観を分析してくれて、ピッタリな相手を1日5人紹介してくれるサービスの「aite」。googleで「AI マッチングアプリ」と検索するとaiteの情報が表示されるので、知っているという人も多いだろう。
結婚相談所に行くの面倒、マッチングアプリで相手を探す時間がもったいないという忙しい人におすすめなマッチングアプリの「aite」だったが、2018年10月現在、サービスは終了している。
今やマッチングアプリは「戦国時代」。いろいろな場面で集客や広告合戦が繰り広げられている。さらに、AIのシステムを開発・保守できる人材の需要も高まっている。このような事情から、aiteのようにサービス終了に追い込まれるAI連動型婚活アプリは今後も少なからず出てくるはずだ。
「AIで出会える」と謳っているセカンドチャットだが
App store で「AI 出会い」と検索すると、「セカンドチャット」というアプリがヒットする。
「人工知能で気の合う友達と出会える」と書いてあるが、storeのレビュー数が10件しかない、2年前にリリースなのにバージョンが1.2までしかない、開発者が会社ではなく個人、など理由から、令和の恋愛塾 的には「怪しいマッチングアプリ」と認定。
ネット上にあるセカンドチャットに関する口コミをひと通り目を通してみたが、「人工知能要素がそんなに感じられないけれども、知らない人と会話ができるアプリ」という声が多かった。
正直、ユーザーの視点では、「そのアプリにAI(人工知能)が搭載されているか否か」ということは判別できない。何も知らずに使っていたら、googleやAmazonのシステムが人工知能だと意識しないのと同じだ。
今後、人工知能の普及に伴って「人工知能と書いておけば良さそう」という怪しげな出会い系アプリも増えることが予想される。AIの高性能なマッチングアプリを選ぶ際は、大手がリリースしているサービスや、ユーザー数が一定数存在するかなどを確認する必要がある。
「人工知能合コン」というサービスも見つけたけれども…
AIを活用した婚活アプリについて調べていると、「人工知能合コン」というサービスを発見した。
人工知能合コンのページの説明には、このように書いてある。
スマホがあなたの恋のお助け役に!
テクノロジーが男女の最適な出会いをプロデュースします。数十人の合コン参加者の中からプロフィール情報や、競合率、閲覧時間などの様々なデータを活用しシステムがあなたに最適な相手を自動判定して紹介するサービスです。出会いを最適化することで人工知能コンに参加した4人に1人はマッチングに成功しています。
今度こそは良さそう!と思ったけれども、2015年5月22日に青山で開催された合コン以降、なにも動きがない。
残念ながら、「リリースされたけれども、人が集まらずに閉鎖したAI婚活サービスの1つ」に過ぎなかった。どうやら、AI婚活業界はどこも苦戦しているらしい。
サイバーエージェント子会社によるQunme(キュンミー)
2016年9月、サイバーエージェントの子会社によって、Qunmeというマッチングアプリがリリースされた。
東京大学の研究室と共同開発したAI技術による「ひとめぼれタイプ診断」、友達とペアを組んで2対2で出会いを探せる「ペア恋活」の機能など、既存マッチングアプリにはない画期的なシステムを搭載していた。
しかしながら、1年ほどでQunmeのサービスは終了。会員数の伸び悩みなどがQunmeのサービス終了の原因であると考えられる。
サイバーエージェント系のマッチングアプリには、400万人を超えるユーザー数を誇る「タップル誕生」、位置情報を使って街ですれ違った男女をマッチングさせる「CROSS ME」がある。
AIの技術を活用したQunmeのサービスは終了してしまったが、Qunmeで得られたAIマッチングのノウハウは、サイバーエージェントの タップル誕生 やCROSS MEで生かされていくはずだ。
ビジネス用だが、婚活にも使えると噂のAIマッチングアプリ
「yenta」とは、完全審査制のAIビジネスマッチングアプリ。ビジネススキルや特技が認められて審査を通過した人のための、「一緒に面白いビジネスができるパートナー探し」や「人脈づくり」のための出会いの場。
現在、ユーザーは150万人を超え、延べ12,000社を超える人材が交流する場に成長している。
ところでこの「yenta」、ビジネスのための人脈づくりだけでなく婚活の場としても使えるとの情報をいくつも入手した。
あくまで yenta は、ビジネスのためのAIマッチングアプリ。
けれども、ビジネスで意気投合できる男女はきっと、きっと恋愛でも意気投合できるということなのかもしれない。仕事を通じて出会いを広げ、仕事の人脈から結婚相手が見つかるのもアリだと思う人は、是非 yenta への登録をおすすめする。
AI搭載マッチングアプリは本当におすすめ?
ここまで紹介してきたAI連動型マッチングアプリは、期待外れで終わったものや、本来の婚活目的のものでないものだった。
人間より莫大なデータを処理できるAI。AIを活用した先進的で高機能なマッチングアプリは、現時点では存在しないのか?
「AIを用いたマッチングアプリ」と宣伝しているものには、怪しいものがあったりサービス終了に追い込まれたものがあった。「AIを搭載しているか否かは、マッチングアプリの良しあしを分ける本質的なポイントではない」というのが令和の恋愛塾 的な見解だ。
既存マッチングアプリでも密かにAI化は進んでいる
けれども、「AI搭載」と宣伝していないマッチングアプリの中にも、AIを活用しているものはある。
会員数700万人を超える国内最大のマッチングアプリ「ペアーズ」。ペアーズを運営しているエウレカ社は、ペアーズの運営に人工知能を活用する方針を示している。具体的には、ユーザーの行動やプロフィールや写真を人工知能で分析して、悪意あるユーザーを排除するというAIの活用方法だ。(朝日新聞:婚活アプリ急拡大 課題は)
現状ではペアーズのAIは危険なユーザーの排除目的だが、今後、異性を検索した時のアルゴリズム改善にAI利用される可能性は大いにある。
マッチングアプリの性能は、「ひとりひとりのユーザーが満足する異性を提案できるアルゴリズム」と「ユーザー全体のマッチング数と満足度を最大にするアプリ運営」に関わっている。
莫大な数のユーザーが日々生み出す莫大なデータをマッチングアプリ運営に生かすには、人工知能の活用は不可欠。今後、AIをマッチングアプリに活用するのが業界のスタンダードになる。だからこそ、「AIを搭載している」という宣伝が差別化のポイントにはならないのだ。
令和の恋愛塾おすすめ婚活アプリ4選
相性が合う人との出会いにこだわりたいならwith
メンタリストのDaiGoの心理学メソッドに基づく、マッチングアプリ「with」。性格診断の結果をもとに、相性の合うピッタリな相手を提案してくれる点が他にはない強み。with 独自の心理学に基づいた統計的分析にはおそらく、人工知能の技術が使われていると思われる。
連続ログインやイベントなどで「いいね!」がもらえることも多く、基本利用で一か月最大200人分の「いいね」をもらえるところも見逃せない。
サイバーエージェント運営で高マッチング率のタップル誕生
会員数400万人突破。ペアーズに並ぶ2大マッチングアプリとしてのポジションを確立しつつあるのが「タップル誕生」。
タップルは、1日ログインすると20枚のカード(「いいね」に相当)がもらえる。続けてログインすれば毎日20人にアプローチできるので、マッチング率は高めだ。
会員数700万、手軽に続けられるマッチングアプリならペアーズ
会員数700万人を誇る、国内マッチングアプリの最大手。北は北海道、南は沖縄まで47都道府県に最低1万人以上のアクティブユーザーが存在する。「都会じゃないから出会えるか心配」という地方ユーザーは是非とも外せない一品。
本人確認に免許証やパスポートの画像が必要になるアプリが多い中、ペアーズは本人名義のクレジットカードで手軽に本人確認が済ませられる。facebookのアカウントがなくても、携帯の電話番号さえあれば会員登録ができるので、「マッチングアプリの会員登録が面倒」という人はペアーズがおすすめだ。
「すれ違い」を出会いのきっかけに、新感覚マッチングのCROSS ME(クロスミー)
クロスミ―は、スマホのGPS機能を活用したマッチングアプリ。
「いいね」して、マッチングアプリ成立を待って、デートのためのメッセージ交換をするという手順が面倒な人には、是非ともおすすめなマッチングアプリ。近くにいる人とマッチングアプリが成立すれば、すぐに相手と会うことだってできる。
「GPSで自宅や職場が特定されるのでは?」という心配も浮かんでくるが、特定の場所では出会い機能がOFFにできる設定があるので、安全面も安心だ。
アプリ掛け持ちで出会え確率は倍以上に
もっと本気で出会いを広げて恋人を探すのなら、アプリの掛け持ちがおすすめ。
「with」「タップル誕生」「ペアーズ」の3つは、女性会員は無料で利用できる上に、異性検索とマッチングまでの段階なら男性も無料で使うことができる。
マッチングアプリのコスパを最大限まで高めるなら、「無料会員でアプリを掛け持ちして、マッチングアプリが成立したアプリに課金する」という戦術をおすすめする。
AI搭載婚活アプリまとめ
以上、AIを搭載したマッチングアプリ・婚活アプリの動向と評判を、比較しがなら紹介した。
マッチングアプリにAIが搭載されるのはむしろ「あたりまえ」。「AI搭載!」をウリにしてきたマッチングアプリがいくつもサービス終了に追い込まれきたように、怪しげなAI搭載マッチングには極力近づかないようにしたいところだ。