若者のゴルフ離れの原因から探る,20代のゴルフとの付き合い方




1. 20代のゴルフ離れは本当に進んでいるのか?

若者のゴルフ離れが本当に進んでいるのか調べる中で,下のような他サイトの記事が見つかりました。

【ゴルフ人口減少】日本の人口問題からみるゴルフ業界の行方

 

まず,若者に限らず全世代を通してゴルフ離れが進んでいるようです。記事によると,2017年から2018年までの間にゴルフ人口が120万人も減少したとのことです。120万人というのは,2018年1月に新成人を迎えた人口に匹敵する数字です。

少子化の影響により,20代の人口が数十年前よりも減っています。ゴルフを始める人の割合が一定だとしても,母数がへっているので必然的に新しくゴルフ人口が減ってしまうという今の状況です。日本の人口が集中している関東近郊のゴルフ場の中でも,ゴルフ利用者減少による経営難で閉鎖されているところが増えているようです。

2. ゴルフ離れの本質的な原因とは

2.1. 20代の収入の伸び悩みは本当の原因か?

会社の人,あるいは友人が「今度ゴルフするから来て!」と誘ってきたとします。一体,ゴルフを始めるための初期費用はいくら必要なのでしょうか。実は,レンタルなどをうまく活用すれば,ゴルフを始めるための初期費用はイメージほど高くはなりません。必要なものと金額をざっと挙げてみましょう。

・レンタルゴルフクラブ ¥6,000 / 1回
・ゴルフシューズ ¥5,000
・ウェア (ユニクロで十分) ¥8,000
・グローブ ¥1,000
・ラウンド代 ¥10,000 / 1回
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計 ¥30,000

なんと,3万円あればとりあえずゴルフを「始める」ということができるのです。知り合いにゴルフに誘ってくれるゴルフ経験者の人がいて,あなたのポケットマネーから3万円を払う勇気があれば,あなたはもう立派な「ゴルフ人口」の1人になれるのです。

1回行ってみたら楽しくなって,自分のクラブセットなどを揃えて月に練習とラウンドをそれぞれ1回ずつするとしても,毎月のゴルフ関連の出費は3万円前後,年間を通したら 40万円程度になるでしょう。20代で社会人になって数年間は年収300万円~400万円だったとしても,自分の趣味をうまく整理して,お金を使うことと使わないことを明確にすれば,ゴルフすることはそれほど無理はないはずです。

以上から,「若者の賃金の伸び悩みがゴルフ離れの本当の原因である」と言い切るには疑問が残ります。

2.2. 親世代のゴルフ離れ

実は,20代を中心とした若者だけでなく,親世代のゴルフ離れも着実に進んでいるのです。

現在の20代の人々の親世代は50代。2018年に50代を迎えている世代は,1991年のバブル崩壊の後にちょうど社会人になった世代。バブルのリゾートブームとともにゴルフ人気も全盛を迎えましたが,バブル崩壊後は反動でゴルフブームは下火となります。現在の50代世代は,ゴルフを経験してる人は多いものの,それより上の世代よりはゴルフに時間とお金を割いておらず,会社の付き合いなど最低限のラウンドしかしていないように思われます。現に私の父もそうです。半年に1度くらい会社でゴルフコンペが会って,そのために1度だけ打ちっぱなしに行くかどうかという頻度でしかゴルフをしていません。

育った環境はその人の趣味・嗜好に意外と大きく作用しています。親世代がそれほどゴルフに熱中しておらず,ゴルフ場へ連れて行ってもらった経験も少ない現在の20代には,ゴルフを始めようと思い立つような人の割合が少なくなって当然なのです。

2.3. 会社の上司が気を使って若者をゴルフに誘わなくなった

親世代の影響と少子化で,「若者のゴルフ離れ」がニュースで取り上げられるようにもなりました。また,最近の若者の特徴として,「会社の飲み会に誘われるのを好まない」「飲み会に行っても一次会まで」という特徴もニュースでよく取り上げられます。そのような「ゴルフしなさそうな素っ気ない若者像」が上司の固定観念となってしまった可能性があります。それで,取引先などが絡まない会社の親睦会程度の理由で若者をゴルフに呼ばなくなり,ますます若者のゴルフ離れが加速してしまったように思うのです。

3. 結論。20代はゴルフに対してどう関わるべき?

バブル崩壊後,現在の中高年世代や20歳世代のゴルフ離れが進み,もはやゴルフは一部の人の遊びになってしまいました。そんな現在の状況で,20代としてゴルフとどのような距離感を取ればいいのか?ゴルフは20代のうちに始めた方が得なのか?ゴルフは社交目的としては費用に見合うリターンがあるのか?趣味としてのコスパは良いのか?私は,20代でのゴルフとの関わり方については次のように考えています。

3.1. 「ゴルフができる20代」は希少価値のある魅力に

ゴルフができる若者が減ったことで,逆にゴルフができることの希少価値は高まっているのです。「TOEICが900点ある」「公認会計士の資格を持っている」「プログラミングができる」というスキルを持っていることも希少価値のある武器になりますが,「20代でゴルフができる」というのもそれらに匹敵するくらいの希少価値を持っていると私は思っています。

ゴルフができることはその人の「ひきだし」の一つになりますし,「20代なのにゴルフができるのか,この人は面白そうだな」という人間的な魅力にもなるのです。

3.2. 人生は退屈,ゴルフは奥深い。

20代。社会人になって仕事をするようになり,やるべきことに忙殺されてやりたいことをやれる時間が昔ほどなかなか取れなくなります。「仕事は面白くないし,かといってプライベートで夢中になれるようなこともない。ああ,人生は退屈だ,これが死ぬまで続くのか,長生きなんてしたくない」と思っている人にとって,ゴルフは処方箋になる可能性があります。ゴルフはボールをクラブで打って穴に入れるシンプルなスポーツですが,70代や80代になっても夢中になってゴルフを続けている人が多くいます。それくらい,人生の長い時間をかけて追求できる奥深さを秘めた遊びであるといえると思います。特に趣味はなく仕事だけで生きていたら,退職後に手持ち無沙汰になってつらいという話はよく聞きます。ゴルフをしておけば,きっと老後の趣味には困らないはず。コースに出てラウンドできるのが週1回だとしても,残りの週6日はその1日のイメージを膨らめたり家でパター練習したりして毎日を生きるモチベーションが生まれるはずです。

3.3. 恋愛,結婚のチャンスも広がる

ゴルフに親しんでおくことで,人間的な深みが増すということと,趣味を通じた人間関係が広がるというのは紛れもない事実。ゴルフを通じた人間関係から,恋愛や結婚に発展するケースも少なからずあるように思われます。たとえ,ゴルフ仲間が年配の人たちばかりだとしても,世話好きな彼ら彼女らが「いい人がいるから今度会ってみない?」と紹介を持ちかけてくれることもあります。ゴルフデートは男女の距離がぐっと近づくみたいです。それゆえ,ゴルフの場がきっかけで不倫や浮気をしてしまうという芸能界や有名人がの話をちらほらニュースで見かけます。とある大物落語家の不倫も,ゴルフの場がきっかけになったと報道されています。

不倫や浮気はともかく,20代で早くゴルフを初めて早く上達しておくほど,ゴルフでモテる可能性は広がります。いずれ,ゴルフ合コンやゴルフを通じた婚活を紹介した記事をリリースする予定です。

3.4. あくまでゴルフは趣味の選択肢の一つ

ゴルフは奥深くていろいろなメリットがあるスポーツとはいえ,自分がそれほどしたいと思っていないのに無理して始める必要はありません。やはり,多少お金のかかる趣味であることは事実ですし,突き詰めれば出会いが広がって人生が豊かになる趣味はゴルフ以外にいくらでもあります。

すでに自分の確固たる趣味を確立している人にとっては特にゴルフを無理して始める必要はないように思います。これといった趣味がなくて何かわくわくすることを求めている20代にこそ,私はゴルフを始めてみることをおすすめしたいのです。

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